Lost in Black


酉の刻
梅の咲く頃
東の空の灰桜と杏に金糸雀の虹
紅掛空色の心
見上げれば
まぁるいお月さんが
薄くけらけらと
柔くふわふわと
笑っていた
絵筆をとって暈した誇り
雲の涙はやがて降る
黒いマフラーだけが風に流されていた


070311