生きるってこと


掲げた両手の冷たさ
今もまだ満たされないまま
最果ての思いに父は嘆く

求める自由に意味などあるのだろうか

追憶に浮かぶ白百合は朝露に濡れて
輝きを増すはずの宝石達とは別に強く美しかった

色褪せゆく肌色はゆっくりと透明に沈む
ほどけかけているリボンを神様は直さない

感じるすべてが偽りならばこれほど楽なことはないのに

どれくらい幸せでいられるのだろうか?
どれくらい生きていられるのだろうか?

雨の街にたくさんの夢が煌めいて墜ちた
廻る季節に僕らはついていけない
踏みしめた地面の脆さに眉を顰めたのは一匹の蟻だけ
オルゴールの中で踊るバレリーナが囁いた思い出

欠けたパズルに完成なんてないだろう?

薄暗い夜空にわけもなくバイバイしてみたら
なんだか寒くなった


070329