仄明かり


貴方の瞳に見た ほの白い悲しみの雫は
一層にその儚さを深めたのを 貴方はご存知ですか
億劫な仕草で動かす希望への一手
霙のように複雑に清くはなれなくて
思考する虚しさは少し感染気味
無様に哂う姿を美しいと言えたなら 貴方は狂っています

切り捨て 切り捨てられ 速くなる
比例に学び消え行く時代は 味を薄め
道先にある扉だけを見つめていたら 苦しみもなくなる
盲目さに舌打ちして渇きを覚えたなら
貴方はどこまでも人間で 貴方はどこまでも生き物だ
一の美徳を信ずるか弱き泡雪だ


080405