ヘリクツテキゲンリ


私は消えた 白雨の中に
嬋媛たる夏の幻を見つめながら
真星たる優越と憂鬱を募らせながら
止まぬ雨を想像して その重さに一時我を忘れ
神秘的赤裸々感に毒されたのだ

概念が観念にすり替わり 意義を求める頃
太陽系は個々の重力と時によって動き続けていた
屡鳴く無価値に気付いて討議する意味
定義づけは良くない だから答えは出ない
私達に公理は無い

けれど 私達はまだ理由無く泣ける
屁理屈みたいな原理がそこに在り続ける限り
関わることは流されること 生きることは巡ること
私達はまだ人間で在り続ける
何故なら そこには未知が在る


080529