あの夏と少年


純白の想い出だけ抱えたあの頃の罪無き涙を覚えていますか
遠い未来に馳せて先の見える振りをして大人に近づいた
握り締めた手に温もりはあったのに解き放つ臆病さをもって
僕達はただ駆け出すことしかしらなかったでしょう

半透明な窓から差し込む光みたいな淡い期待
どうしようもなく信じたかったあの少年の夏は
いつか行き場を失くして何処かに消えていったけど
僕達は未だ必死に夢を見ようと足掻いて繰り返す

それはまるであの夏の少年のように


080714