線路


ひとりぼっちで仰ぐ虚無感に似た無気力
支えてくれる人々はまだ傍に居る
ただ 億劫過ぎて助けを求めなかった
走り続ける夢に毎夜魘され
枯れた声で歌うことを願う痛みを
忘れられない 忘れることが出来ない
鏡に映る己の姿さえも認識せず
嗚咽を漏らすのは愚かなことと知りつつ
違えた欲望の行き先は あたしが導いたのではなく
あたしが導かれていたのだということ
気づくのが大分遅かった
計算機を手に抱え失敗を繰り返す日々を
唇は幸せと弁じ誰も幸せにしない
その上舌足らずな凶器が誰も彼もを傷つけてゆくから
刺されたわけでもないのに血が流れ出す
続く道の先を知らねばこその苦悩なら
祈りはただ一つが為 安穏と静寂 平和
止まることは無い列車が時々危なげに揺れて
あたしの足元を不安定にさせるから
今夜も枕は濡れるけど
いずれは 決めねばならぬこと
恐れとともに今は一日が過ぎてゆく

思考の海に溺れる
無力さに苛まれる
郷愁に駆られる
絶望が迫る

空振りはもう暫く 続くだろう


090817